あぁ愛しのコロラトゥーラ
あぁ愛しのコロラトゥーラ
(coloratura)
あぁ。。この朝もやに煙る静寂のなか、深い緑の囁きを伝わるように響き、惑わし、愛でる、その声。。。。
ドナウ川のほとりにたってポプラにもたれる
ここは風もとてもゆっくりと流れているのが聴こえるのです
この街
ウィーンは人も街の流れもとてものんびりです
「Schau ma mal (様子みてみよう~) 」というのはウィーン人の口癖で、ふんわり白黒はっきりさせないのも、とてもウィーン風
こんな空気の中で、多くの音楽家を育て、国が亡くなる経験を持ちながらも、こんな楓(かぜ)を感じさせるのは何故なのか
速いフレーズの中に装飾を施し、華やかにしている音節のことをいう「コロラトゥーラ」なのですが、
そのコロラトゥーラの中でも特に高い音域が出せるハイ・コロラトゥーラなのだそうです。
女声の声種はソプラノ、メゾソプラノ、アルトの3種類の中でもソプラノの上をハイ コロラトゥーラ
ソプラノの役柄でいうと、
モーツァルトの歌劇『魔笛』における第2幕の「夜の女王(ソプラノ)」によるアリア
ドニゼッティなら「ランメルモールのルチア」のルチア
などが代表格と言われます。
「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」がある。
欧州ならではの愛憎、心の叫びには、このコロラトゥーラでないと響かないのでしょうか。
そうしてこの役には、日本が生んだハイコロラトゥーラ姫「田中彩子」
歌姫が、ステージにあがった瞬間から我々聴衆はこのハイトーンから逃れられない。
歌姫が醸し出す豪華絢爛、妖艶優美な世界に引き釣り込まれ、知らぬ間に魂を奪い取られる。
ハイコロラトゥーラの声艶の最後の一息が終わるまで。。。。。。
目と耳、ハートで確認してください。
そんな歌姫は、ウィーンが良く似合う。
Schau ma mal
あぁ愛しのコロラトゥーラ。。。