人声久語(拾遺帖つづり)

世の中そんなに捨てたもんじゃないよ あんまり頑張らないで 捨てられるものは捨てて行きましょう

皇国の興廃此の一戦にあり

皇国の荒廃この一戦にあり。。

少なくとも、「昭和生まれ」を自負される方なら、この言葉は分かるはず。
私は、神奈川県民になって54年、恥ずかしながら横須賀の三笠公園に行った事がなかった。横須賀と言えば、今何が思い浮かびますか?
我々の時代の産物であり、かのジュニア小泉がこれを着て選挙を戦ったことで少し有名になった背中に龍が舞う「スカジャン(横須賀ジャンパー)」でしょうか、
今盛んにPRされる「軍港都市 横須賀」でしょうか。
それとも、「横須賀海軍カレー」でしょうか。

こう書けば、賢明な久派の皆さんにはお分かりだと思いますが。

三笠公園と言えば、「日露戦争(本当にこんな呼び名でいいの?)」の旗艦(司令長官が乗船する艦)が展示されていることで知られています。現存する世界最古の鋼鉄戦艦であり、日本遺産の構成文化財に認定されています。船の歴史の財産として。

公園を入ると真っ先に目につくのが「東郷平八郎司令長官」の銅像。と、その横に何だか文字が書かれています。

「皇国興廃在此一戦」

何て書いてあるの?
と聞かれても私は、子供たちに説明などとてもできません。。。。。

なんで?
第二次世界大戦、太平洋戦争ではないじゃないの。
だから、いいのよ。
日露戦争ですよ?
あの強大なロシアをやっつけた戦争ですよ。
こんな言葉が聞こえてきませんか。

悲しいですね。

戦うことへの意識高揚のために、連合艦隊参謀の秋山真之作であるとされています。

目的は、あの満州をロシアの南下から守るために、皇国一丸となり立ち上がった戦い、戦争なんだって、私達の教科書には書いてありました。
みんな、戦争は繋がっているのです。


それを、今の子供達に、こんな風に、

受け継がせるのですか。。。

市民が憩える公園にこんな文言が相応しいのでしょうか。
この、横須賀にはアメリカの原子力空母が帰還し母港としています。
ヒロシマナガサキ、フクシマに何と説明するのでしょうか。

また、今年の夏のイベントで子供達の綱引き大会があったのです。
「日本連合艦隊」対「バルチック艦隊」なんだそうです。

アホかぁ!

こんな記事を許しているなんて、なんとスカ市民なのではと言いたくなります。
とても、綺麗な、静かな、公園なのになぁ。
正面には、猿島も見え渡航もできるのですけれど。

日本人の負の遺産として遺したらどうなんだろう。
零戦を美化してはいけない。

風立ちぬ」のように。。。

こんな事を思いながら、横浜に帰ってきたのですが、、、そこにはあの、「日本丸」がいました。
その日は、総帆展帆の日であり29枚のセイルが掲げられていました。
今年88歳の日本丸は、船員養成帆船として活躍し、戦争で多くの友(船)が海に沈んでいく中、幸いにして戦渦に見舞われることなく終戦を迎え、昭和60(1985)年4月、みなとみらい21地区の石造り1号ドックに現役当時のまま保存されています。
横浜市民の憧れと誇りともなっています。
これは、「三笠」と「日本丸」との目的の違い、航跡の違いなどにもよるのでしょうが、後人達による利用、活用の意識の違いが大きいのではないかとと思うのですが。

しかし、目につくのは「戦争美化」。。。と、思うのが私だけの間に何か手をうちませんか。

三笠公園は、とても綺麗に整備され噴水や海に向かっての舞台なども設けられています。
機会あれば、足をお運び下さい。
その時は、文字が消えてえるかも。。。。
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