人声久語(拾遺帖つづり)

世の中そんなに捨てたもんじゃないよ あんまり頑張らないで 捨てられるものは捨てて行きましょう

眠りの精(少女は大人になりました)

 

夜のとばり に 包まれた部屋を清しい風がカーテンを揺らす
少女は、闇のまどろみの中で眠りにつこうとしている...

小さい頃読んだ短い童話の絵物語

"眠りの精"というのがいて夜になるとスポイトで子供たちの目にミルクを落とす

目に見えない眠りの精にミルクを入れられると.....どうでしょう?

子供たちは目をこすり あくびをして夢の世界に引き込まれていく

太陽や森の息吹をいっぱいに吸った温かいシーツの中で


私はいまだに そんなやり方でしか、夜を越えることができないことを。。。


こんな想い出があったという事、忘れていないでしょうか

そう。。

少女は、眠りの精がきてくれること 待っています
眠ることで、どんな夢をみられるのかを楽しみにワクワクしながら

そうして、朝にはゆるやかな朝日が、そっと目を開けてくれることを夢をみながら

あ し た に なぁーれ。

ある素敵な女性の話のなかで、寂しがりの怖がりな女の子の小さいときの想い出を知ることになり、それを短い話にしてみました。

明日を迎えたくなる話のような気がしませんか。。。

童話は、実際にある話のようですが、解らぬままの想像や希望が入っているのでしょうか

こんな、可愛くて、せつない心を持ちながら


そして、少女は大人になりました。


いまでも、そうしないと眠れないと彼女は言葉をつづけますが...

いつまでも、憧れをもっていられるようで、ほっとしました。


こんな、女の子に想いを寄せながら果たせなかった男の子の笑った口に、眠りの精が一滴のミルクを落とした。。。