人声久語(拾遺帖つづり)

世の中そんなに捨てたもんじゃないよ あんまり頑張らないで 捨てられるものは捨てて行きましょう

つけものの おもし くんへ

つけものの おもし


  つけものの おもしは
   あれは なに してるんだ

  あそんでいるようで
   はたらいているようで

  おこっているようで
   わらっているようで

  すわっているようで
   ねころんでいるようで

  ねぼけているようで
   りきんでいるようで

  こっちむきのようで
   あっちむきのようで

  おじいのようで
   おばあのようで

  つけものの おもしは
   あれは なんだ


あそんでいるようで。。。
はたらいているようで。。。

なんと ゆかいな くだりなのでしょう

ことばが もじが わらっているのが みえませんか

けさのしんぶんにみつけました
ひさしぶりに たのしそうな かれらの こえを


世の中 どうでしょうか
これでもかと自分を叫び、いかにも人の為にやっているのだと主張し、目線を下げることのない者
言ったが勝ち、自分が正義だと、心から頭を垂れる事を知らぬ者


あっち向いて ホイッ
こっち向いて ホイッ
付いて来れなきゃ
置いて行け!

何だか寂しくなりますよネ


あの なにもしていないと おもっていた

おおきないしさん には

ちゃんと なまえがあったんだね

つけもののおもし くんかぁ

きみはいつも もんくもいわずにはたらいちいたんだね

ありがとう いつも そうおもっていたよ

これからは ともだちだネ


ぞうさん や 一年生になったらで知られる「まど みちお」さんの詩です。
2014年に亡くなられています。

つけもののおもし くんに おしえてもらいました


ふと日常の風景を眺め

ひとときの時間の流れにまかせて

目をとめてみませんか

その留まった時景が

知らぬ間に少しづつ見えてくる

止まっていたものが心の中で動き出す

その瞬間(とき)に

静かにそよぐ季節の風

その音に聞き入りたい


まどさんは きっといいます

よのなか そんなにすてたもんじゃないさ

さぁ もうすこし がんばりましょうか