人声久語(拾遺帖つづり)

世の中そんなに捨てたもんじゃないよ あんまり頑張らないで 捨てられるものは捨てて行きましょう

標ない旅

標(しるべ)ない旅

閉ざされた部屋の窓を 開けてごらんよ
いつまでも そんな風に 塞いでいないで

君の声を見失うなよ
今よりはるか高くのぼれよ

青春を旅する若者よ

君が歩けば そこに必ず 道はできる

こんな詩をギター 一本で私たちに歌っていた歌手を覚えていますか

私と同世代を生きてきた「永井龍雲」。

昨夕、何十年ぶりにその歌声に接する機会を得たのでした。

この「標ない旅」は、永井龍雲は知らなくとも聞いたことはあるほどの名曲だと思っているのです。
五木ひろしが歌った「暖簾」も彼の作です。

会場は、日劇のあった有楽町マリオンの11階で元は映画館であろう。
ヒューリックホール東京。
銀座、有楽町この街に降りたったのはいつだったか覚えていません。
数寄屋橋を見るとSonyビルは無く空き地に、日劇の跡形などどこにも見当たりません。しかし、特別な思いなどを持つに値しない街、私を受け入れてくれるような街ではなかったのでしょうこの銀座は。。。。
平成も無くなるような時代であり、昭和を思い巡らすなど必要ないんだと言われているようです。


次の日曜日。
日劇前で1時ね。
チケット売り場の前だよ。

初めてのデート。
彼女は、夏目雅子秋吉久美子を合わせたようなその佇まい。。。。
何時間待ったのか。
携帯電話などなかった大学2年の昭和50年のあの懐かしき昭和。。。。


時代は、刻々と変わっている。
それに乗って行けない者共に告ぐ!
一刻も早く其処を立ち去りなさい。
差もなくば、ついてきなさい。

と。

そんな中で聴いたのが永井龍雲でした。
この時に、二時間歌いっぱなしでそれも神田川の世界しか見当たりません。
辛く、悲しく、悲惨な生業を泣きながら拗ねているところを見せる。
それはすべて、君のためなんだと。。。

これは、食傷気味に私の胸に溜まりました。

もういいよ、やめようよ。
そんなにすてたもんじゃないさと。ネ。

根強いファンに助けられた龍雲よ
そんな大切な思い出まで奪ってほしくはなかったと。
あなたの歌はもっと、言葉があったはず。。。。

ただ、彼は最後まで楽譜など見ずにすべて歌いきりました。これには、拍手を贈りましょう。(ギター一本だったから。。。)

しかし、次の時代に新しい「標」をおいて行きましょうよ。

君が歩けば そこに必ず 道はできるのだから。

「標」は、必ずやあるはず。。。。


少し、肌寒い日本丸を前にして


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