人声久語(拾遺帖つづり)

世の中そんなに捨てたもんじゃないよ あんまり頑張らないで 捨てられるものは捨てて行きましょう

おことば

おことば

平成30年12月20日に85歳の誕生日を迎えられたのでした
誰あろう
天皇陛下、その人である
その時に話された、言葉、面持ちを見て涙せぬ国民はいなかったでしょう

寄り添いながらもお気持ち、存念を飾ることなく語られたのであった
これが本当の真摯な姿、寄り添う言葉であるのだろう


私は即位以来,日本国憲法の下で象徴と位置付けられた天皇の望ましい在り方を求めながらその務めを行い,今日までを過ごしてきました

沖縄は,先の大戦を含め実に長い苦難の歴史をたどってきました
皇太子時代を含め,私は皇后と共に11回訪問を重ね,その歴史や文化を理解するよう努めてきました。沖縄の人々が耐え続けた犠牲に心を寄せていくとの私どもの思いは,これからも変わることはありません

明年4月に結婚60年を迎えます
結婚以来皇后は,常に私と歩みを共にし,私の考えを理解し,私の立場と務めを支えてきてくれました

振り返れば,私は成年皇族として人生の旅を歩み始めて程なく,現在の皇后と出会い),深い信頼の下,同伴を求め,爾来(じらいこの伴侶と共に,これまでの旅を続けてきました
天皇としての旅を終えようとしている今,私はこれまで,象徴としての私の立場を受け入れ,私を支え続けてくれた多くの国民に衷心より感謝するとともに,自らも国民の一人であった皇后が,私の人生の旅に加わり,60年という長い年月,皇室と国民の双方への献身を,真心を持って果たしてきたことを,心から労ねぎらいたく思います


悲惨な状況に置かれたときに、心の支えになるのはなんでしょうか。
親であり、つれあいであり、家族であるはずです。
それぞれの人生です。
寄り添えることができなかった場合もあったことでしょう。
しかし、それはそれぞれの人生です。
悔いないよう、陛下のお言葉のように、自分としての望ましい有り様を探して行くしかないのでしょう。

我が一歩を引くことに因って
できる合間の大切さ
ここを冷めぬよう手でおおって
往けるよう ゆっくりと

もうすぐ平成最後の大晦日 「おことば」を