人声久語(拾遺帖つづり)

世の中そんなに捨てたもんじゃないよ あんまり頑張らないで 捨てられるものは捨てて行きましょう

添ってみようかと

 

「添」
この字を初めて目にしたのは小学五年生のときだった。
つくし(土筆)のようにヒョロヒョロと背が高く、アンガールズのような奴
その名前が「添田」というのであった

○○に寄り添って行きたいと思います

こんな言葉を、こんな文字を、近頃よく聞くような気がするのです
その度に、「添う」ことの「浅はかさ(浅薄)」を感ずる。。。

この「添」という漢字は、どんな成り立ちをもつのだろう

「流れる水」の象形であるサンズイと
人の頭部を大きく強調した「心臓」の象形であるつくりからなっているようなのです

心臓、心、こころ、は「流れ尽きぬ水」のように変わらぬ思いを表していると思いませんか

「天と向かうときの心」を意とし、そこから天に対して心が「そう」を意味する「添」という漢字が成り立ったようです

「そえるとは、(主となるもののそばにつける、そばに離れずにいる)」

あるものに別のものが「ぴたり」とくっついて離れない

そう、これが、「寄添って歩く」ってことだと気づきます

あのイチローが現役から退きました

自分を律し、あくまでも普通を装いながら、決して妥協をしない姿

彼の背中には「真摯」という文字がとても似合います

彼がプロ入りしたのが1991年、そうして、
退く、表舞台からの引くことを意としたのが2019年

これ、なんと、私が歩んでいる足跡と同じなのです。
彼の会見には涙がありません。
涙しながら見てもいないのです
嬉しい そろそろ帰りましょうか

イチロー君と一緒に歩めたこと

わかったでしょうか
彼ほど我々と「添ってくれた」奴はいないと言うことを。。。。。。。

私も、今年で、退こうと思っています
表から少し退いてみようかと

その次にあるもの、望むもの。。。。

「添い、、、添われ、、、そっと、
添っていたいと。。。」

そう思うのですが。。。。


藤原為嗣 「つれもなき 人はうき身のよそながら 心に添ふは 思ひなりけり」

良 寛 「今更に 死なば死なめと思へども 心に副(そ)はぬ 命なりけり」

こんな「添え文に寄せて。。。」


貴方に添い寝のぬくもりが
こころの芯に語りかけ
春の予感にからむ息


そう だってさ

最後の寄港は、貴方にヨーソロ(寄う添う)